パーカッショニスト安江佐和子プロデュース「il Sole/ Y × S Crossing#04 ~杉山洋一 影響を受けた作曲家とともに~」
現代に生きる作曲家に焦点を当てたコンサートシリーズ。
第4回目となる今回は、イタリアの作曲家シルヴァーノ・ブッソッティの作品を軸に多角的な演奏表現を追求します。
il Sole #04 今回はS.ブッソッティと原倫太郎さんの卓球台というテーマから杉山洋一氏に選曲をお願いした。形の見えぬ闇のような中からもがくように準備を進めるこの企画だが、本番を迎えるその瞬間には想像を超える世界が広がり、出会いがあり、その先に新たな景色が見える。一人の作曲家に焦点を当て、その人の人生において影響された作曲家や音楽を追い、興味を深めることは、日々音楽と関わり他の作品を演奏する上でも常に軸となることである。このil Soleが杉山氏にとっても、演奏家、作曲家にとっても「あぁ、これ il Soleでやればいいじゃない」と言ってもらえる居場所になることを願っている。———安江佐和子
既に新しい時代に足を踏み入れているのを感じます。将来の不安もあるけれど、不安を希望に変える必要も誰しも感じています。ストラヴィンスキーが「兵士の物語」から「プルチネルラ」へ変貌を遂げた第一次世界大戦、スペイン風邪流行後であったり、第二次世界大戦後のダルムシュタットやケージらの登場を、今日の我々は素直に理解できるようになりました。これらの時代に共通する「伝統」について、
前衛作曲家ながら、伝統への造詣と愛情を謳う個性的なブッソッティの姿を通し、見つめ直してみたいのです。作曲者と近しい日野原秀彦さんにお手伝い頂き、未初演のオペラ《和泉式部》断片も交え、松平敬さんと工藤あかねさんの卓越した表現でブッソッティの世界をご堪能下さい。「双子ピンポン」に想を得て、原倫太郎さんのインスタレーションもお借りし、演奏空間の可能性を存分に広げてみたいと
思っています。———杉山洋一
《出演》
安江佐和子(打楽器)
日野原秀彦(ピアノ)
工藤あかね(ソプラノ)
松平 敬(バリトン)
プログラム
原倫太郎
インスタレーション「マリンバピンポン」(2019)
杉山洋一
ブッソッティの詩による「娶られた少年」(2021)委嘱初演
シルヴァーノ・ブッソッティ
「双子ピンポン」(1993)
「心」(1959)
オペラ≪和泉式部≫(2005-2006)抜粋
「肉の断片II」(1958-1960)抜粋 ほか
* プログラムは変更となる可能性があります。ご了承ください。
料金
一般:4,000 円(当日:4,500 円)
学生:3,000円(当日:3,500 円)
出演者プロフィール
安江佐和子(打楽器)|YASUE Sawako: Percussion
パーカッション、マリンバ、ティンパニ奏者。桐朋学園大学卒業、研究科修了。’95よりサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーとして活動。 ’02文化庁芸術家海外研修員としてベルリンへ留学。’04 ~ ’07.東京フィルハーモニー交響楽団打楽器奏者。’04久石譲全国ツアーにてソロパーカッションとして参加。’11.4月より安江佐和子プロデュース「Prana」をスタート。現在、桐朋学園大学特任講師。ソロ、アンサンブル、オーケストラと活動は幅広く、プロデュース、レコーディングも多数手がける。リズムを超えた「音楽」を求め、歌う、色彩のパーカッションとして、独自の音色感をもった世界を展開する。 http://www.sawakoyasue.com/
杉山洋一(作曲)|SUGIYAMA Yoichi: Composer
桐朋学園大学卒業。作曲を三善晃、F. ドナトーニ、S.ゴルリに、指揮をE. ポマリコ、岡部守弘に師事。ミラノ・ムジカ、ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめ、国内外より多くの委嘱を受ける。作曲家として、「東京現音企画#01 ~イタリア特集」で第13回佐治敬三賞、第2回一柳慧コンテンポラリー賞受賞。指揮者として、第68回芸術選奨文部科学省大臣新人賞受賞。2010年サンマリノ共和国聖アガタ騎士勲章受勲。ミラノ市立クラウディオ・アバド音楽院教授。
日野原秀彦(ピアノ)|HINOHARA Hidehiko: Piano
東京藝術大学大学院在籍中に渡伊。シルヴァーノ・ブッソッティに師事。ローマ・ブッキ国際作曲賞等受賞。ヴェネチア・ビエンナーレ現代音楽祭、アヴィニョン演劇祭、ブリュッセル・アルスムジカ音楽祭他にて作品が演奏される。大聖年にフィレンツェの大聖堂にて初演された《オプス・フロレンティーヌム》を作曲・指揮、ローマ・オペラ座に於いてオペラ《ティエステ》世界初演のソロ・ピアニストを務める等、多方面にその活動を拡げる。東京音楽大学客員教授、東京藝術大学講師。
工藤あかね(ソプラノ)|KUDO Akane: Soprano
東京藝術大学卒業。数多くの新作初演を行なう。サントリー芸術財団「サマーフェスティバル」、「トーキョー・エクスペリメンタル・フェスティバル」、「テッセラ音楽祭」「Tête à Tête: The Opera Festival (ロンドン)」、「ダ・ヴィンチ音楽祭 in 川口」等に出演。第一回一柳慧コンテンポラリー賞受賞。フランチェスカ・レロイ作曲「THE鍵KEY」にて「妻」役、第19回佐治敬三賞受賞。
松平 敬(バリトン)|MATSUDAIRA Takashi: Baritone
東京芸術大学卒業、同大学院修了。湯浅譲二、西村朗など150作以上の新作を初演。サントリーホール・サマーフェスティバル、新国立劇場などに出演。ソロCDとしてこれまで、《MONO=POLI》(文化庁芸術祭優秀賞)ほか3枚のアルバムを発表。チューバの橋本晋哉氏とのユニット「低音デュオ」名義としても2枚のCDを発表。2019年には著書『シュトックハウゼンのすべて』を出版(ミュージックペンクラブ音楽賞)。
原倫太郎(美術家)|HARA Rintaro: Artist
サンドヴェルグ・インスティテュート修了。主にキネティックなインスタレーションを制作している。近年の展覧会に、2014年「Synthesis」(レイキャビック現代美術館)、2017年「北アルプス国際芸術祭」、2018年個展「上昇と下降 ー白夜と極
夜ー」(ヘルシンキ)、2019年「瀬戸内国際芸術祭」などがある。「第7回岡本太郎記念現代芸術大賞展」特別賞受賞、「第11回文化庁メディア芸術祭」(エンターテインメント部門)奨励賞を受賞。
備考
企画:安江佐和子・杉山洋一
作品展示:原倫太郎
制作:東京コンサーツ
助成:公益財団法人 野村財団、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
パーカッショニスト安江佐和子プロデュース「il Sole/ Y × S Crossing#04 ~杉山洋一 影響を受けた作曲家とともに~」
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